ボクはヨーロッパに来るまでビールが苦手でした。もともとそれほどお酒に強くないですし、ワインの方が好きでした。ヨーロッパに来てから伝統的なエールやクラフトビールに触れてビールが大好きになったのですが、以前からギネスビールだけは例外的に好きでした。
ボクが日本にいた時のギネスビールは「イギリスの黒ビール」というイメージで、スタウトというビールの種類を知るのは当然ながらヨーロッパに来てからです。なるほど!ボクはスタウトが好きだったんだ!
ちなみにスタウトはエールの一種で上面発酵のビールです。日本では黒い色をした下面発酵のビールもスタウトと呼んでるようですが、厳密にはスタウトではないです。
いろいろなスタウト(スイートかスモーキーか)
なるほど、スタウトがボクの好みなのかということでいろいろと試してみたのですが、実に味の幅が広い!種類もたくさんあるのですが、大きく分けるとスイートかスモーキーかということになるかと思います。当然ながらその中間や両方の性質を持ったものもあります。ただ、大雑把に分けるのは理解をするのにとても役に立つと思いますよ。スイートかスモーキー!
スイート系スタウト
スタウトには🍼ミルクスタウトという甘味のある種類があります。乳糖を使うのですが、これは酵母で発酵しないので甘味が残るのだそうです。🍫チョコレート・スタウトもスイート系に分類できるでしょう。こちらはチョコレートを加えたわけではなくて、チョコレートの風味を生み出す酵母を使っています。
クリーム・ブリュレ(ポープス・ヤード)
スイート系のスタウトは名前もわかりやすいです。クリーム・ブリュレ!そのものズバリですね。もちろん、クリーミーでスイートなんですが本当のデザートのように甘いわけではないのでご注意を。
「あ、ほんのり甘くてクリーミーな気がする」という感じです。
ポープス・ヤード(Pope's Yard)はイギリスのクラフトビール醸造所です。ラベルはビンに貼り付けではなく、ラベルがぶら下がっているのが可愛いですよね。
カスタード・ポーター(クラウドウォーターとキーズのコラボ)
はい、またズバリそのままの名前です。カスタード!これはクリーミーでカラメルのような甘味だと感じということを伝えたいのでしょうか。確かに言われればそんな気がします。
こちらもイギリスのクラウドウォーター(Cloudwater)です。オランダのキーズ(Kees)とのコラボビール。スタウトというとやっぱりイギリスというイメージがありますよね!
スモーキー系スタウト
スタウトの黒さは原材料のモルトや小麦を焙煎することによってできるものですので、スタウト自体多かれ少なかれスモーキーです。これをどこまで残すのか、それとももっと強調するのかということですね。
ヘーメル&アーデ(ブロウワレイ・デ・モーレン)
スタウトのスモーキーさをより一層強調したのがオランダのブロウワレイ・デ・モーレン(Brouwerij de Molen)のヘーメル & アーデです。オランダ語で「天と地」という意味です。なんだか壮大ですね!デ・モーレンの中でも最もスモーキーなスタウトです。
そしてお味の方なんですが、その名にふさわしい大胆な味!スコッチウイスキーにアイラという種類がありますが、独特の薬臭いスモーキーさがあります。このヘーメル & アーデはまさにそのアイラのような独自のスモーキーさです。
オーク・アフショット(エプ・ビア・コレクティフ)
エプ・ビア・コレクティフ(Epe Bier Collectief)はシンプルでセンスのいいラベルが特徴なのです。ちょっと謎めいたところで、ここが一体醸造所なのかビール関係者が集まった何かのグループなのかいまひとつよくわかりません。
ただ厳選されたビールであるようで、このスタウトもスモーキーかつスイートでとても美味しいです。ギネスもそうなんですが、こういうスモーキーでスイートなのがスタウトの王道なんでしょうね。