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スタートアップ成功の第一歩!ネットワーク効果の一番かんたんな教科書!

 スタートアップが資金調達をするときに投資家からよく聞かれる質問の一つに「ネットワーク効果はありますか?」というのがあります。収益モデルは?とかマーケット規模は?なども当然聞かれますが、これはわかりやすいし答えやすいですよね。でも、ネットワーク効果ってなんでしょう?

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成長モデルとネットワーク効果は微妙に違う

 ネットワーク効果は成長モデルと誤解されやすいです。例えばアプリから友達を招待できるという機能は「成長モデル」ですが「ネットワーク効果」ではありません。フェイスブックやツイッターのシェアする機能も「成長モデル」ですよね。シェアすることによりより多くの人が目にすることになり、そこから利用者が増える。でも、この機能自体は「ネットワーク効果」ではありません。友達のつながりを利用してアプリやサービスのユーザーを増やしていくというのは「ネットワーク効果」ではないんです。それはネットワークを使った成長モデルです。

 同じようにバイラルや口コミもそれ自体は「ネットワーク効果」ではありません。ネットワーク効果があるから口コミが生まれるわけではないし、口コミがあるからネットワーク効果があるというわけでもないです。あとで説明しますがEvernoteは当初は口コミで広がりました。しかし、Evernoteにはあまりネットワーク効果はないんです。

ネットワーク効果って何?

 ネットワーク効果は別名「ネットワーク外部性」と呼ばれています。簡単にいえば「利用者が増えるほどそのサービス/アプリの価値が増加する」ことです。一人より二人、十人より千人で使われているサービスの方が利用者にとって価値が高くなるサービス/アプリはネットワーク効果があるということになります。

 例えばアプリから友達を紹介できる「成長モデル」があったとしても、それによって価値が上がらないのであれば「ネットワーク効果がある」ということにはならないんですね。例えばなんですが、フェイスブックは友達が増えるとタイムラインにより多くの情報が流れてきますよね。それは「ネットワーク効果」です。友達が増えるほどに情報が多くなる。つまりフェイスブックのサービスとしての価値が高くなる。

 もちろん、ネットワーク効果は必ずしもいいことだけではないです。例えば車の数が増えれば増えるほど交通渋滞が増えますよね。これは「負のネットワーク効果」といいます。情報も増えれば増えるほど整理できなくなってしまいますよね。フェイスブックは「負のネットワーク効果」を管理するためにその人にとって意味のある情報をタイムラインに掲載するようにアルゴリズムを磨き上げています。その部分で遅れをとってしまっているのがツイッターですよね。

 ネットワーク効果に関してはアンドリーセン・ホロウィッツのポッドキャスト"Getting Network Effects"がとても参考になるので機会があったら聞いてみてください。

Evernoteにはネットワーク効果がない?

 ボクがつくっているアプリのバインドリーにはネットワーク効果はないです。ユーザー同士が交流するアプリじゃないですし、そもそもプライベートの情報を管理するアプリですから。これはEvernoteが抱える問題と同じですね。Evernoteも情報を管理するアプリですからあまりソーシャルじゃないんですよ。個人がEvernoteに保存する情報が増えるほどに価値は上がるけど、利用者が増えても価値は上がらない。ボクもEvernoteを使っていますが、ボクの友達がEvernoteを使っていたとしてもあまりボク自身には関係ない。

 Evernoteの価値の考え方に関しては当時のCEOのフィル・リービンさんがフリーミアムに関するカンファレンスのキーノートで語っているので参考になります。ノートが増えるとそのユーザーにとってEvernoteの価値が上がる。価値が上がるから、将来的には有償サービスに移行してくれる。これが当時のEvernoteのロジックでそれでうまくいっているようにみえました。

 その後、Evernoteがいろいろと苦しんでいますが、その理由の一つがネットワーク効果がないことです。あ、つまりバインドリーも将来的には同じ問題にぶつかるってことですね!ただ、そこはすでにいくつか考えがあるので、Evernoteと同じ壁にはぶつからないと思います。「墓場でピクニック」って大事!

一番かんたんな教科書!シリーズ