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マナーが日本を潰す(マナーをやめてイノベーションをやろう!)

『動物農場』という小説があって、そこに出てくるボクサーという馬はとても働き者。「わしがもっと働けばいいのだ」と働き続けるのだけれど、残念ながら働いても問題は解決しない。それでもみんなのために働き続けるボクサーは脚を怪我して働けなくなる。そして働けなくなったボクサーは馬肉業者に売られてしまう。ボクは日本で誰かがマナーについて話をするときにいつもこの『動物農場』のボクサーを思い出してしまう。

なんでもマナーの問題にしがちな日本人

 日本人がマナーについて語るとき、それは「ガマンしろ、ボクサーになれ」という意味が多い気がします。例えば東急電鉄のマナー広告。賛否両論ありニュースにもなったので覚えている人も多いでしょう。

 Facebookなどソーシャルメディアでもマナーが悪い人がいたという報告がタイムラインに散見されます。まあ、もちろんマナーが悪いんでしょう。ただ、マナーの悪さは問題の根本なのでしょうか?それとももっと根深い問題が「マナーが悪い人たち」を生み出している。つまり、問題の表層なのでしょうか?

マナー向上は根本的な問題を隠す

 日本の電車は通勤時間はとても混雑しています。外国の電車の車内と比べてストレスが非常に高い空間です。しかも長い時間その中にいなければいけません。どうして他人のやる事が気になるのか?どうして他人にマナーを求めるのか?バッグを背負わないで前に抱えてほしい、ベビーカーは通勤ラッシュの時には持ち込まないでほしい、車内で化粧をしないでほしい。マナー向上を呼びかけてもきっとなくならないし、他に気になる事が出てくるでしょうね。痴漢も同じ問題が根にありそうです。その根本的な問題はストレスが高い満員電車にほぼ毎日長時間いなければいけない事ですよね。

 マナー向上を訴えかけたとしてもたくさんの『動物農場』の馬のボクサーのように頑張ってしまう人が増えるだけ。個人のストレスはさらに蓄積され、根本的な原因の慢性的な長時間の満員電車は隠れてしまいます。『動物農場』で言えば相変わらず豚のナポレンが支配しているのは変わらないわけです。満員電車は無くならない。

イライラをアイデアに変える

「デザインシンプル」シリーズの第三回目でも書きましたが、イノベーションの源泉は「イライラ」だったりする事が多いです。イライラすることを解決したい!という気持ちがパワーになるんですね。

 歩きスマホもマナーの問題として語られることが多いですよね。残念ながら歩きスマホや運転中のスマホ操作で事故も起きています。これもマナー向上で解決できるのでしょうか?ボクは到底そうは思えないわけです。スマホ自体にイノベーションが起こり画面のようなインターフェースがなくなったら?自動運転ができるようになり、人が運転する必要がなくなったら?イノベーションの方が問題を解決できそうです。

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「イノベーションには時間がかかるからそれまではマナー向上を呼びかけるべき!」とか「新しい技術は新しい問題を生むだけ!」という声が聞こえてきそうです。まあ、そうかもしれません。でも、マナー向上は問題を隠すことはできても解決できないのは確かなことです。そして、イノベーションに時間がかかるというのは幻想で、小さなイノベーションを積み重ねることによって問題は徐々に解決されるのです。

ドイツ バイエルン市とオランダ ボーデグラヴェン市の試み

 ドイツのバイエルン市では歩きスマホでの事故防止のため信号機に工夫をしました。人は下を向いてスマホを操作するので、信号を道路に埋め込んだんです。

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 同様の試みはオランダのボーデグラヴェンでも行われています。

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中国 重慶での試み

 中国の重慶では歩道をスマホ側とスマホじゃない側に分ける試みがされています。

イノベーションは問題解決

 イノベーションはものすごい発明とか技術の進化ではありません。問題解決をすること自体がイノベーションです。バイエルンや重慶の試みはなんの特殊な技術は使っていませんよね。大きな問題の小さな範囲しか解決していないかもしれない。ひょっとしたら失敗するかもしれません。もっといいアイデアがあるかも。

 それでも小さな試みを繰り返す事が大きなイノベーションに繋がることを忘れてはいけません。小さな成功の上にさらに小さな成功を重ねていく。小さな失敗から学びを得て大きな成功に活かす。実行することで前に進める。マナー向上を呼びかけたところで問題を隠すだけで前には進んでいない。

 もうマナーをやめてイノベーションをやりましょう。