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BlaBlaCarにカーシェアリング事情について教えてもらった!!!

スタートアップ インタビュー 海外

 スタートアップというとシリコンバレーやアメリカのイメージが強いですが、ヨーロッパにも急成長中のスタートアップがたくさんあります。せっかくヨーロッパにいるのだから現地のスタートアップにインタビューをして日本の人にもっとヨーロッパのスタートアップを知ってもらおう!と今更ながら思いついた思いつき企画第二弾!

 今回はUberとは全く違う形のカーシェアリングで注目を浴び、ヨーロッパだけでなくインドや南米にも進出しているBlaBlaCarDiane Prebayさんにインタビューを受けていただきました!

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 −−まずヨーロッパにおけるカーシェアリングについて教えてください。

「まずアメリカとヨーロッパではカーシェアリングという言葉が指す意味が異なります。アメリカで言われるカーシェアリング(Car Sharing)というのは一台の車を複数の人達で共有することを指します。アメリカのカーシェアリングはモデルとしてはレンタカーに近いかもしれません。ヨーロッパではこのようなモデルはカーシェアリングとは言いません。イギリスではカークラブ(Car Club)と言います。オランダで有名なカークラブはダイムラーのCar2Goなどですよね。

 ヨーロッパでのカーシェアリング(Car Sharing)はアメリカのカープール(Car Pool)やライドシェアリング(Ride Sharing)にあたります。同じ方向に向かう人の車に相乗りさせてもらうのがヨーロッパでのカーシェアリングでありアメリカのカープールやライドシェアリングです。これを仕組みとして簡単にしたのがBlaBlaCarです。

 Uberも(ヨーロッパ的な)カーシェアリングの一つの形態と言えますが、モデルとしてはむしろタクシーですよね。BlaBlaCarはもっと本来の意味でのカーシェアリングを仕組み化したものです」

−−BlaBlaCarについてもう少し詳しく教えてください。

「BlaBlaCarは共同設立者のFrédéric Mazzellaがクリスマスのパーティーの後に帰る手段がなかったことからアイデアを思いつきました。たくさんの空席があるのにその空席が活かされていない!

 そうして生まれたのがBlaBlaCarですが、三つ特徴があります。1) 運転手は運転を商売としていない、2) 都市をまたがる中長距離が多い、3) コスト負担モデルです。

1) 運転手は商売ではない

 BlaBlaCarの運転手は本人がそこに行く用事があるのでついでに他の人も相乗りさせてあげるというモデルです。運転すること自体を商売にしているわけではありません。そこがタクシーモデルと違うところです。運転手と顧客ではなく、BlaBlaCarを利用する人は相乗りをさせてもらう同乗者ということになります。

2) 都市をまたがる中長距離が多い

 BlaBlaCarの平均的な一回の走行距離は300キロメートルです。これはフランスのパリからベルギーのブリュッセルくらいの距離ですね。タクシーのように都市内ではなく、都市間の移動が多いのが特徴です。

3) コストシェアモデル

 BlaBlaCarはコストシェアモデルを基本としています。車での中長距離の移動はお金がかかります。ガソリン代もかかります。「相乗りさせてあげる代わりにそのコストも負担してください」というのがBlaBlaCarのモデルなんです。ですから、職業的なドライバーではないんですね。

 先ほどの300キロメートルでしたらBlaBlaCarの平均的な同乗者一人あたりの負担額は20ユーロ(約2,300円)ほどです」

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−−BlaBlaCarがここまで成長した背景を教えていただけますか?

「BlaBlaCarがはじまったのはフランスですが、フランスの乗用車の登録数は約3700万台です(日本は約8100万台:一般財団法人検査情報登録協会)。そしてフランスにおける平均的な車の維持費は年間で5000ユーロ(約58万円)です。掛け算をするとフランスのGDPの10%近い金額になります。車を所有することは家計に大きな負担となります。

 そして100キロメートル以上の移動の76%は自動車で運転席以外の席はほとんど空席という調査結果が出ています。この空席と需要をマッチングさせて最適化するのがBlaBlaCarです。こうした背景からBlaBlaCarのようなカーシェアリングのニーズが生まれていて、さらにそれが大きくなっていっています」

−−車の所有コストの高さと車での移動の多さがヨーロッパならではなのでしょうか。アメリカだと飛行機の移動が多い印象があります。

「BlaBlaCarがまだアメリカに進出していない理由の一つに車の所有コストの低さはあります。ただ実を言うと長距離の車での移動はヨーロッパよりアメリカの方が多いのです。潜在的ニーズはアメリカは大きいといえるでしょう。しかし、ラストマイルの課題があります。

 ヨーロッパの場合は駅で同乗者を降ろしても公共の交通機関を使って自宅まで戻れます。しかし、アメリカの場合は公共の交通機関から自宅までが離れているため、同乗者は降ろされた地点から家までの移動手段を確保しないといけない」

−−BlaBlaCarはヨーロッパ以外でも事業を開始しました。どうしてインドとブラジルだったんですか?

「BlaBlaCarは長距離の移動を求めやすい価格で、ソーシャルに、効果的に出来る地域でサービス展開をします。

 それぞれの国には異なるニーズや課題があります。インドの場合ですと電車での移動が大変なんですよ。今日どこかに行かなければいけない!となっても当日では電車のチケットはなかなか入手できない。常に満車だからです。

 ブラジルや他の国も同様で、サービスを提供している国ではそれぞれにBlaBlaCarだからこそ解決できる課題があります。

 BlaBlaCarは現在500人以上の従業員が16都市のオフィスで働いています。従業員の国籍は34国籍になります。ニーズがあることも重要ですが、その都市に最高のチームが作れるかも非常に重要です。これまで事業を開始した国は現地で素晴らしいチームを作れたというのが大きいですね」

−−日本はどうですか?

「日本人のなかむらさんから見てどう思いますか?」

−−日本だと見ず知らずの人の車に乗るのは少し抵抗あるかもと思いました。

「信頼できるかどうかというのは日本だけでなくどこでも大事ですよね。例えば女性だったら女性の運転手の車に乗りたい。おしゃべりが好きな人とか犬が嫌いな人とか。人それぞれですので、どういう人が運転しているのか、同乗者なのかは気になります。運転する人もどういう人が同乗者になるのか気になりますよね。

 BlaBlaCarは運転する人と同乗する人の両方の信頼感を得るために様々な取り組みをしています。身元確認を厳格に行い、運転する人も同乗する人もお互いを評価できる仕組みを取り込んでいます。

 今ではBlaBlaCarがサービスを提供している11カ国ではプロフィールが100%のメンバーは家族(94%)や友人(92%)に次ぐ信頼度(88%)を得ています」

−−信頼というのはシェアリングエコノミー(共有経済)では大事なんですね。

「そうですね。カーシェアリングを経験した人はその後コワーキングや民泊など他のシェアサービスを活用する傾向が強いことがわかっています。信頼感が増せばシェアリングエコノミーやコラボレーティブエコノミー(協力経済)はさらに活性化していきます」

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