カタパルトスープレックス

興味がない人は無理して読まなくていいんだぜ。

開発ができる共同創業者なしでプロトタイプまで開発する3つの方法

スタートアップに必要な三つの役割

スタートアップには三つの役割が必要と言われています。ハッカー(開発者)、ヒップスター(デザイナー)、ハスラー(ビジネス)です。一人の創業者だけの場合はソロプレナーいいますが投資を受ける時に苦労をします。ハッカー、ヒップスター、ハスラーの役割を一人が担うことになります。これははっきり言って相当経験がないと無理です。ベンチャーキャピタルなどの投資家は一人だけの起業家ソロプレナーを敬遠するのはこの理由からです。

スタートアップのイベントで一番よく耳にする創業者の悩みは何でしょうか?

ボクの観察範囲内だと「共同創業者がいない」です。特に開発ができる共同創業者がいない。ビジネスの創業者は開発ができる共同創業者を探すために人脈を駆使して友達に聞いたり、イベントに参加したりしてパートナーとなる人物を探します。

でもすっごく大変。単純に需要と供給が釣り合っていない。よっぽどいいアイデアで自分自身をコミットできなければスタートアップの共同創業者なんてやってられないですよ。開発者だったら大企業がいい給料払ってくれるんですから。それでもスタートアップをやるような開発者は自分ではじめますよね。

じゃあ、どうしたらいいの?って話です。

ちなみにこの記事はものもと英語で書いたものですので、日本国外、英語での活動が前提となります。日本に合わせた変更を若干していますが、具体的なツールとかサービスは日本に合わないかもしれません。ただ大枠は参考になるかと思います。

まずは基本から

スタートアップの開発は開発からははじまりません。いきなり製品を作るとダメだった時の労力が全て無駄になります。そのために仮説を立てて、それを確認するためにMVPと言われるプロトタイプを作ります。ここで大事なのはプロトタイプを作るのに必ずしも開発は必要じゃないということです。まずは調査やテストをします。

調査はニーズがわからない時。テストは調査の結果わかったニーズを確かめる時。調査とテストは違います。

これを市場と製品の二つの軸で行います。例えば、コンテクスチャル・インクエリーはユーザーニーズを調べるための調査です。プロトタイプというのはすでに製品のニーズがわかっていて、そのテストをするためにやります。プロトタイプでニーズがわかるわけではないので注意が必要です。

これが実践的なリーン・スタートアップです。まず開発をする前にこの基本をおさえることが大事です。

あと、この調査やテストをするために必ずしも開発は必要ないですし、フリーのツールがたくさんあります。以下は開発なしで無料で使えるツールの例です。

基本をおさえたところで早速始めましょう!

1. クラウドソーシングでフリーランスを探す

海外ではクラウドソーシングが盛んでフリーランスの開発者をクラウドソーシングで探すことができます。英語が得意な人でしたらこれらのクラウドソーシングを使ってみてもいいかもしれません。ただし、開発者のレベルはまちまちですので、いきなり大きな仕事を発注しないほうがいいでしょう。小さな仕事でいくつか試してみたほうがいいです。

国内ですでに付き合いがあるフリーランスはその限りではないのですが、クラウドソーシングでのフリーランスの場合は限定的な使い方がいいでしょう。

  • スモークテストのためのランディングページ作成
  • プロダクトのニーズテストのための限定的な機能だけを実装したアプリ

はっきりと言ってしまえば成果物は短期間で使い捨てをするくらいのつもりで作ったほうがいいです。製品のコアとなる部分はクラウドソースでの開発はお勧めできません。簡単なプロトタイプにとどめておきましょう。

2. 海外のオフショアアウトソース

国内で開発者が見つからなくても、海外に目を向けるとたくさんの開発会社があります。もちろん、国内で社内開発するのが一番いいです。それに向けた努力を怠るべきではありません。それでもまだ開発ができる共同創業者が見つからず、プロジェクトも進めたいということはあるでしょう。そういう時はオフショア開発を検討してみてもいいかもしれません。

ただし、注意点がいくつかあります。

  1. 小さくはじめる。いきなり全部発注しない。長期間の信頼関係を築ける開発会社が必要です。その見極めをする期間を設けましょう。
  2. 社内開発よりも遅いことを理解する。はっきり言って遅いです。同じミッションを共有して、同じ目標にひた走る人たちと、契約ベースの人たちではやはり違います。
  3. とにかくドキュメントに残しましょう。Scope of Workと言われる仕様書はもちろんのこと、Sign Off Criteriaという納品条件、できれば使用する技術や方式まで細かく指定したほうがいいです。気になることは全部書いておきましょう。UMLドキュメントまで用意できれば完璧です。
  4. 権利関係は必ず発注側に残るような契約にしましょう。日本ではどうかわかりませんが、海外では受注側が開発したコードの所有権を持ち、発注側はその使用権しかありません。これ大事。
  5. アウトソースは自分の社員ではないことを理解しましょう。一度プロジェクトが始まってしまえば開発者一人一人に指示をすることはできません。社員の管理はアウトソース先の業務範囲内で発注側が口を出すべきことではありません。これ意外とわかっていない人が多いです。

では、信頼できるアウトソース先をどうやって探したらいいのか?もうこれは「口コミ」しかありません。頑張って探しましょう。

3. 共同創業者サービスを使う

開発を外部委託するとしてもその管理までしなければいけないというのは大変です。ドキュメントだっていっぱい用意しないといけない。

調査やテスト、プロトタイプから製品までできれば一緒にやってくれる人が欲しいよ!となりますよね。そりゃそうです。この開発ができる共同創業者がいないという問題はいたるところでありますので、当然ながらそれを解決するサービスも生まれてきています。

このサービスはコミッションベースもあれば株式配分を求める場合があったりと色々です。これらの会社は独自の開発者やデザイナーのネットワークがあり、必要に応じて必要な人材を調達します。

私の場合は日本語でも受けられるのでご相談があればまずはTwitterのDMでご連絡ください。