カタパルトスープレックス

興味がない人は無理して読まなくていいんだぜ。

海外起業!アプリを開発しよう!(1)海外起業家としての心得編

前回はシンガポールで起業した後、どのように人脈作りをしてネットワークを広げるかというお話でした。

とはいえ、シンガポールに来て会社まで作ってネットワークづくりに終始するわけにもいかないですよね?当然ながら価値を提供して対価をもらわないといけません。とっとと本業もはじめましょう。

前提条件

今回の前提条件ですが、本業はアプリ開発で起業家本人はプログラマーじゃないというケースです。ボク自身"Hello World"すら書けませんから!アプリは英語圏を対象としたもので日本語化は後回し。日本語が前提だったら日本で起業したほうがいいよね!

開発できる人も一人じゃ無理!という人はこのまま読み進んでも得るものがあるかもしれません。ではいってみましょう!

アプリを作るために必要なことは?

これは海外でも日本国内でも同じですが、アプリを作るには何をすればいいでしょうか?リーンスタートアップ的なMVPならビデオとかでもいいのですが、アウトソースする場合、簡単なアプリならビデオと同じくらいのコストでできちゃうんで、アプリ作った方がいいかなと。アプリ開発にに必要なのはざっくりと開発とデザインです。

モバイルアプリなんてアプリだけ開発すればいいと思っているノンテクの起業家もいらっしゃるのですが、バックエンドも(たいていの場合)必要です。

  • バックエンドの開発
  • フロントエンドの開発
  • UIのデザイン
  • グラフィックデザイン

バックエンドはロジックとデータベース、フロントエンドはブラウザかAndroidかiOSに分類できます。バックエンドとフロントエンドというのは全く性質の異なるもので、両方得意という人は非常に稀です。

UIデザインとグラフィックデザインは混同されがちですが全然違います。さらにUXデザインも違います。デザインといってもいろいろあって、全部できるよ!というデザイナーはあまり見たことないです。

でも、そんなに人を雇えないよ!

まあ、そうっすよね!これから製品なりサービスを作ろうといいうスタートアップなんでお金はそんなにないですよね。当然ながらそんなに人を雇えません。株をあげるから給料は安くお願い!というパターンはシンガポールではほぼ通じないと思ってください。できる人は自分で起業します。

そうなると、起業家自身がざっくりと「開発」か「デザイン」のどちらかをやる必要があります。ちなみにボクは「デザイン」はほぼ全て自分でやりました。UXとUIはできたのですが、グラフィックデザインだけ友達に友達料金でお願いしました。人脈って本当に大事ですね!

人によってはプログラムを習って「開発」を自分でやる!という人もいらっしゃるかもしれません。ボクもコードは書かないもののアーキテクチャとビジネスロジックは自分でかなりやりました。UMLのシーケンス図とかかなり作りました。採用する技術選定も開発者と相談しながらではありますがボクが主導しました。

アーキテクチャはマイクロサービスになっています。バックエンドのデータベースはグラフデータベースのOrientDB。素直にMongoDBにしとけばよかったかなあ……と今はちょっと後悔気味。ロジックはすべてnode.jsです。フロントエンドのORMはRealmを使ってます。bind.lyは画像を多く使うしオフラインファーストの思想で作っているのでグラフィックライブラリの選択は重要でした。いろいろと検討してPicassoではなくGlideを採用しています。

多分、ノンプログラマの人にはちんぷんかんぷんかもしれないですね!ノンプログラマが対象と言っておきつつ、なんでこんなテクニカルなことを書いたかというと……「起業家はこれくらい勉強して自分でできないとダメだよ!」ということです。しかも英語でね!

最低でもドットインストールで二つか三つは要素となるような技術を学びましょう。

なんでこんなに頑張んなきゃいけないの?!

あれあれ?これってノンテク起業家が対象じゃなかったっけ?そうですよ。ノンテク起業家対象です。でもね、出来上がった製品に対して最終的に責任を持つのは起業家本人です。アイデアを製品として世に送り出さなければ何もはじまりません。これはちゃんとした統計データとかないんですが、製品として出せる確率ってそれほど高くないです。肌感覚で50%くらいですかね。人によっては30%なんて恐ろしいことを言います。

理由はいくつもあるんですが、起業家自身が製品(開発とデザイン)についてわかってないというのは非常に痛いです。アイデアはあったとしても具体的にどんな製品を作りたいのかがわかってないんですから。自分自身が分かってないのに他人であるデザイナーや開発者にどうやって伝えるの?ってことです。

それに加えてビジネスプランやマーケティングも自分でやらないといけない。いやー、大変ですね!しかも海外で英語でですよ?そんなの無理だよ!という場合はぶっちゃけ海外起業なんてしないほうがいいです。

え?

当然ながら海外起業は国内起業より難易度が高いです。「やめときなはれ」とまずは突き放すのが正しい姿勢だと思います。ボクは海外起業を選択肢として「こんなのもあるよ」と提示はできますが、「海外起業やったほうがいいよ!」なんて口が裂けても言えません。そんなことを言う人は無責任だと思います!(→じゃあこんな記事書くなや!)

起業して成功する確率はざっくり10%くらいと言われています。この低い成功確率を手持ちの資金でどれくらいあげられるか!というのが起業家でありCEOの至上命題です。大切な資金が尽きないようにやりくりするには自分でやるのが一番なわけですよ!自分自身が最も自由にできるリソースです。最大限に有効活用しましょう!

次回はもっと具体的な開発。インハウスにすべきかアウトソースすべきかについてだよ!